旧日本海軍の戦艦、空母や航空機などについて簡単にご紹介します


軽巡 鬼怒

軽巡洋艦 鬼怒【長良型軽巡洋艦 五番艦】
Light Cruiser  KINU 【NAGARA-class Light Cruiser 5th】


参考資料 『写真・太平洋戦争の日本軍艦 [大型艦篇][軽艦艇篇]』(阿部安雄・中川勉)
起工日 進水日 竣工日 退役日(沈没)
パナイ島近海
建 造
1921年1月17日 1922年5月29日 1922年11月10日 1944年10月26日 川 崎 造 船 所
常備排水量 全 長 全 幅 速 度 馬 力
5,570t 162.15m
14.17m
36.0ノット 90,000馬力







カタパルトの前身をお試し タービンも唯一別の鬼怒


怖い名前の【鬼怒】ですが、帝国海軍の切り込み隊長である第二水雷戦隊の旗艦を務めていた時もあり、史実の中でも鬼教官ぶりを発揮していた時期もありました。

【鬼怒】は、「長良型」では唯一ブラウン・カーチス式オールギヤードタービンを使用(他の5隻はパーソンズ式オールギヤードタービン)していました。
同じく川崎造船所で建造された【大井】ブラウン・カーチス式タービンだったため、これは川崎造船所が判断した採用だったと思われます。

唯一なのはこれだけではなく、【鬼怒】は同時に蒸気加熱装置を載せていました。
これは燃費の向上に一役買う装置なのですが、その代わり排水量が約100t増えてしまっています。

また、【由良】に搭載されていた「萱場式艦発促進装置」から派生改良された、「呉式二号二型射出機」を搭載し、この射出機の実験を行っていました。
この実験後、さらに改良された「呉式二号三型改一射出機」が、今後各艦に使われる射出用カタパルトの1つになります。
他ページで登場している射出用カタパルト全てがこの「呉式二号三型改一」というわけではないので、その点誤解なさらないようにお願いします。
ちなみに「呉式二号ニ型射出機」は1年間の実験の後、今度は【神通】に移設されています。

と、6姉妹の中で【鬼怒】だけが、誕生時に他の艦と違うところがありました。

その後、完成した「呉式二号三型改一」を搭載し、【鬼怒】は第四潜水戦隊の旗艦として太平洋戦争に臨みます。
第四潜水戦隊は、まずは「マレー作戦、蘭印作戦」に参加します。

その後、第十六戦隊の旗艦へと移るのですが、南方方面で作戦従事中に空襲にあって損傷、たった2ヶ月でその座を【球磨】へ譲り、自身は本土で修理を受けています。

1944年には他の「長良型」同様、砲塔を12.7cm連装高角砲へ換装したのですが、【鬼怒】はそれだけでなく、カタパルトを撤去して機銃を増設、もちろん【五十鈴】ほどではありませんが、【阿武隈】とともに、少し対空装備が多い「長良型」となりました。

1944年には「レイテ沖海戦」があり、【鬼怒】もその絶望的な戦地へ赴くことになっていました。
しかし道中、【鬼怒】はレイテ島への兵員輸送を務めることになり、その悪夢の海域からは逃れることができました。
ところがマニラへ向かう途中で現れた【米潜水艦 ブリーム】によって、僚艦である【青葉】が被雷、航行不能の大損害を被ってしまいます。
【鬼怒】は自分よりも大きな【青葉】を曳航して、なんとかマニラへと到着しました。

さて、任務はここからです。
輸送はマニラからではなく、ミンダナオ島からレイテ島へ。
つまり、まずはミンダナオ島へ向かわなければなりません。
【鬼怒】【浦波】と輸送船3隻とともにミンダナオ島へ向かいますが、米軍がそれを黙って見過ごしてくれるわけがありません。
2度の空襲のうち、最初の空襲で【鬼怒】は50人近くの死傷者を出してしまいます。

なんとかミンダナオ島についた【鬼怒】たちは、米軍の哨戒する海域を迂回して兵員を輸送、無事レイテ島まで340人の兵員を送り届けました。

しかし、【鬼怒】が再び兵員を乗せることはありませんでした。
マニラへ戻る海上で、【鬼怒】たちは米護衛空母の艦載機約50機と遭遇します。
この艦載機は、戦場へ向かった栗田艦隊を撃滅するためのものでしたが、その航路に突如現れた小型の艦隊を目にすると、目標を【鬼怒】たちに変更して襲いかかってきたのです。
こちらは軽巡と駆逐艦が1隻ずつ、輸送艦は戦力とは呼べません。
絶望的でした。

あっという間に【浦波】が被弾し、炎上、轟沈。
【鬼怒】もその圧倒的戦力差に為す術もなく、艦尾や艦後部に集中的に攻撃を受けてしまいます。
遭遇から4時間後、【鬼怒】は航行不能になり、やがて沈没。
乗員は480名ほどが後続の輸送艦に救助されましたが、大惨敗の「レイテ沖海戦」では、戦場にいない艦も失われていました。


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